世界にミツバチは9種類いますが、日本には2種類しかいないのだそうです。
一体その2種類は何が違うのでしょうか?
今回は「日本に住むミツバチの種類とその特性」についてまとめてみました。
Contents
ミツバチの種類
二ホンミツバチ
日本の在来種であるニホンミツバチはトウヨウミツバチの亜種であり、自然が多く残った山間部など環境のいい場所にしか営巣しません。
セイヨウミツバチに比べると小型で黒っぽい色をしており、胴体の模様がはっきりしているのが特徴です。
集める蜜の量が少なく飼育が難しいと言われているニホンミツバチですが、病気や冬の寒さに強いと言われています。
スズメバチに襲われると束になってスズメバチを取り囲み熱死させることができます。また私たちが普段食べる蜂蜜はセイヨウミツバチによって作られるものが殆どですが、ニホンミツバチの作る蜂蜜はそれよりもコクと深みがあるとされています。
ただし少量しか取れず希少であるため、価格はその分高価になります。
セイヨウミツバチ
もともと日本には生息しておらず、養蜂家によって日本に持ち込まれた種です。私たちが口にするハチミツの殆どがセイヨウミツバチによって作られたもので、ニホンミツバチと違い一年間に何度も採蜜ができます。
全体的に黄色っぽく、お尻にかけて黒くなっていくという特徴があります。
管理しやすく採蜜しやすいので養蜂に向いているのですが、病気や寒さに弱いという弱点があります。またスズメバチに襲われても1対1でしか戦えないため、数時間で全滅してしまいます。
ミツバチの生態系
もしもミツバチがいなくなったなら
ミツバチは多くの生物の生態系にとって重要な役割を果たしています。蜂蜜が取れないならメープルシロップで代用すればいいじゃないかという声もあるかもしれませんが、ミツバチの役割は蜂蜜を作ることだけではありません。
地球の生態系においてミツバチの最も重要な役割は、作物の受粉です。ミツバチが蜜や花粉を集める際、その過程でおしべの花粉をめしべに運んで受粉を行うポリネーター(花粉媒介者)の役割を果たしているのです。
日本の農業現場ではイチゴやブドウなどの果実類、トマトやナスなどの果菜類の受粉や、翌年の種子確保のための受粉を主にミツバチに頼っています。
もしもこの世からミツバチがいなくなってしまったら、日本のみならず世界の農業が大打撃を食らうことになるのです。
どうしてミツバチが減っているの?
ミツバチの大量死が問題になっていますが、その大きな要因となっているのがネオニコチノイド系農薬の乱用によるものです。
ダニやカメムシを駆除するために撒いたり、ヘリコプターで森林や農地ごと大量散布したりすることがミツバチの大量死をもたらしています。
また農薬以外にも地球温暖化による森林及び蜜源の減少、ダニなどの病害虫の増加、ウィルス感染の拡大、それから家畜化されたことによるストレスのせいで免疫力が下がっていることなども複合的に作用しています。
ミツバチがハチミツを作り出す仕組み
蜂蜜ってどうやってできるの?
ミツバチは花の蜜腺から吸った多糖類である花蜜などを消化管にある蜜袋に入れて巣に持ち帰り、巣内の仲間に分配します。
そしてミツバチの唾液腺から出る酵素の作用で単糖類に分解し、吐き出して巣房の中に蓄えます。この段階ではまだ未成熟の蜂蜜ですが、さらにミツバチが羽を動かして風を送って濃縮し、成熟した蜂蜜に仕上げます。
こうすることで蜂蜜特有の自然な美味しい甘味が生まれるのです。
蜂は働き者?
メスバチである働き蜂は、その名の通り働き者です。
春の花々が咲き始めると500近くの花を訪れ、体重の半分ほど(約40g)の蜜をお腹の中にある蜜胃に貯めて巣に持ち帰ります。働き蜂は天気がよければ1日に十数回も食料を探しに出かけます。
女王蜂は夏の高温期や冬の厳寒期を除き、一生かけて毎日1500〜2000個の卵を産み続けます。
一方でオスバチは育児にも巣作りにも参加せず、ただ巣内をウロウロとうろついています。そのためエサの少なくなる秋口になると巣から追い出されてしまいます。
まとめ
日本に住むミツバチやミツバチの生態系についてまとめてみました。
いかにミツバチが私たちの生活に欠かせないかが伺えますね。
全ての生態系を守るためにも、環境問題に真摯に取り組み自然を守ることが、結局はミツバチを守ることにもつながるのです。
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